前回の「くにまちゅぶろぐ」で私たちが設計で大切にしている**「パッシブ設計」**について、反響がとても大きかったので少しお話しさせていただきます。
前回の記事でも少し触れましたが、今回はその【第2弾】として、私たちが取り入れているパッシブ設計の考え方や、その具体的な5つのメリットについて、わかりやすくご紹介します。
■ 地元の気候を読み取ってこそ、本当の“快適な家”がつくれる
私たち国松工務店は、千葉県いすみ市や夷隅郡といった房総半島の東側エリアで家づくりをしています。
この地域は、昔は「夏は涼しく、冬は温暖」と言われてきました。
ところが、近年は猛暑・熱波・台風など、厳しい気候に変わりつつあります。
とくに内陸部の夷隅郡エリアでは、風がこもってしまい、真夏は熱風が吹きぬけるような環境になってきています。
だからこそ、自然の力を上手に使って、なるべく機械に頼らずに心地よく過ごせる工夫が、とても大切になってきました。
それが私たちが採用している高断熱、高気密を中心とした国松工務店の「パッシブ設計」です。
■ パッシブ設計ってなに?
簡単に言うと、「自然のエネルギー(日射・風・地形)を活かす設計方法」のこと。
冷房や暖房など、電気や機械に頼りすぎず、冬はあたたかく・夏は涼しく過ごせるようにする家づくりの考え方です。
では、国松工務店ではどんなふうにパッシブ設計を取り入れているのか?
ここからは、5つのメリットに分けてご紹介していきます!
✅ 国松工務店のパッシブ設計【5つのメリット】
① 冬はポカポカ、夏は涼しく「日射取得・遮蔽」の工夫
冬は、日差しをしっかり取り込むことで室内を自然に暖め、
夏は庇(ひさし)や軒で日差しを遮って涼しくします。
たとえば南面の窓には軒の出を深く設けて、夏の日射をカット。
でも冬の低い日差しはしっかり室内まで取り込み、エアコンを使わずに室温を快適に保てる設計をしています。

📷(添付左下:冬と夏の日陰のかかる様子)
② 「通風設計」で風を呼び込み、熱を逃がす
この地域では、朝は東風、夕方は西風が吹きやすいという特徴があります。
国松工務店では、敷地の風向きを読みながら、風が通り抜ける窓配置を計画します。
風の流れは「直進」ではなく、「吸い込み口」と「抜け口」を立体的に設計することで、**上下階をまたいだ“立体通風”**が生まれます。
これができると、真夏でも熱がこもらず風が抜ける快適な室内になります。


📷(添付:「窓で風をキャッチする方法」サッシ図)
③ 自然光で明るく、気持ちいい空間に
高い位置の窓や吹き抜けから自然光を取り入れることで、日中は照明いらず。
明るいリビングはそれだけで快適さが増します。
また、「光の入り方」も私たちはとても大切にしています。
夏と冬では日差しの角度が違うので、建物の角度や庇の長さも敷地ごとに細かく設計します。
④ 光熱費が抑えられ、家計にもやさしい!
自然の力を活かすということは、冷暖房の稼働が減る=電気代が抑えられるということです。
実際に私たちが建てた住宅では、
一般的なプランと比べて、年間で約33万円以上の光熱費削減効果が出ているケースもあります!

📷(添付画像右下:グレード別の年間光熱費比較グラフ)
⑤ 敷地条件にあわせた“完全オーダーメイド”の設計
国松工務店では、ひとつとして同じ設計はしません。
なぜなら、敷地の形・方角・隣地の状況・風の通り道・周囲の建物など、
すべての条件が異なるからです。
だからこそ、私たちのような地元密着の工務店が、
「この土地、この環境、この家族に合った最適なパッシブ設計」をできる強みがあると自負しています。
近隣の気象データをまとめたもの

■ 写真で見るパッシブ設計の工夫
こちらの資料にもあるように、**「通風日射の見える化」**は設計段階で丁寧に行っています。
(↓掲載画像)


・添付:吹き抜けと高窓で風と光を取り込む実例
・添付:光熱費比較データから見る省エネ効果
お施主様にもこれを見ていただくと、「ああ、自然の力ってすごいんですね」と言っていただけることが多いです。
■ まとめ|自然の力を味方につけた「地元に根ざす設計」
国松工務店の家づくりは、目に見えないところにこそ力を入れています。
それは「風の通り道」だったり、「光の角度」だったり、
「窓の位置」だったり、「敷地の読み解き」だったりします。
地元の気候を知り尽くした私たちだからこそ、
この地域で本当に快適で、電気代も抑えられる、家族にやさしい家がつくれると信じています。
これから新築やリフォームをお考えの方、ぜひ一度パッシブ設計の魅力を体感してみてくださいね。
📌 写真:パッシブデザインの実例紹介資料
(画像引用元:国松工務店)