今回は最近よく耳にするようになった「蓄電池」について、これから家づくりを検討される皆さまに向けて、基本的な情報をわかりやすくまとめてみました。
2026年度からは、ZEH(ゼッチ)住宅において「太陽光発電」と「蓄電池」の両方の設置が義務化される見通しです。
この流れに合わせて、「蓄電池って本当に必要?」「どれくらい電気代が変わるの?」といった声も聞こえてくるようになりました。
そこで今回は、蓄電池のしくみやメリット、日常や災害時の活用方法についてご紹介していきます。
蓄電池ってどんなもの?
蓄電池とは、太陽光発電で作った電気をためておける設備のことです。
昼間に発電した電気をためておけば、夜間や停電時にもその電気を使うことができます。
これまで太陽光発電は、「電気を売る」という考え方が主流でしたが、ここ最近は**「ためて自分で使う」**という方向へとシフトしています。
電気代の今とこれから
ここで、電気の「売る価格」と「買う価格」を比べてみましょう。
【売る電気】
- 2025年:15円/kWh(10年間)
- 2026年:24円/kWh(最初の4年)、その後は8.3円/kWh
→ 売電価格は年々低下傾向にあります。
【買う電気】
東京電力「くらし上手」プランでは…
- 基本:30.72円/kWh
- 再エネ賦課金(2025年5月):3.9円/kWh
- 合計:実質 34.7円/kWh
→ 電気を買うコストは上昇傾向です。
昼に売って夜に買う?それってお得?
例えば蓄電池がない場合、
昼間に発電した電気は「15円/kWh」で売られ、
夜間は「34.7円/kWh」で買って使うことになります。
こう考えると、昼に安く売って、夜に高く買うという逆転現象が起きていることが分かります。
それを防ぐ方法の一つとして、蓄電池で電気をためて夜に使う「自家消費」という考え方があります。
蓄電池の容量はどれくらいが現実的?
家族構成やライフスタイルによっても変わりますが、
一般的な4人家族(40坪程度)で考えると…
- 4kWh:冷蔵庫・照明・テレビなどの基本的な電力
- 10kWh:夜間の生活をある程度カバーできる
- 17kWh:通常通りの生活が可能になるケースも
※蓄電池の使用時間は、省エネモードでフル充電されている場合の目安です。
実際どれくらい節約できる?
たとえば10kWhの蓄電池を導入した場合、電力契約や使用状況によって異なりますが、
- 月に約5,000〜10,000円
- 年間では約6〜12万円
程度の節約が見込まれるケースもあります。
長期的に見ると、家計の助けにもなりそうです。
蓄電池は「もしも」のときにも活躍
2019年に千葉県を襲った台風では、大規模な停電が発生しました。
その際、蓄電池があるお宅では、冷蔵庫が止まらなかった、携帯の充電ができたなどの声が実際にありました。
災害時はもちろん、日常でも「電気をどう備えるか」という視点が、これからの家づくりには大切かもしれません。
まとめ:蓄電池は“選択肢のひとつ”
これから家づくりを考える方にとって、
「蓄電池」は必要不可欠なものではなくとも、将来的なメリットや安心につながる選択肢の一つです。
国の制度上は、ZEHでは設置が必要になっていく見込みですので、
「補助金は使えるの?」「どれくらい電気代が下がるの?」など、気になることがあればお気軽にご相談ください。
蓄電池について知っておくことは、
これからの家の“エネルギーとの付き合い方”を考えるきっかけになると思います。
それではまた次回のくにまちゅぶろぐでお会いしましょう!